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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.オクタシラキュバンおよび関連化合物の反応 オクタテキシルオクタシラキュバンの臭素やヨウ素との反応では、前年度に報告した塩素化と同様に、開環と骨格転位が同時に進行し、4,8-ジハロオクタテキシルテトラシクロ[3.3.0.0^<2,7>.0^<3,6>]オクタシランが生成した。この生成物のナトリウムによる還元的縮合では、異常な骨格転位が起こり、再びオクタテキシルオクタシラキュバンが生成する。オクタテキシルオクタシラキュバンは、ジメチルスルホキシドを酸化剤とする光部分酸化により、新規含酸素多面体ポリシランであるオキサオクタシラホモキュバン(オクタテキシルペンタシクロ[4.3.0.0^<2,5>.0^<3,8>.0^<4,7>]-9-オクサノナシラン)とジオキサオクタシラビスホモキュバン(オクタテキシルペンタシクロ[5.3.0^<2,6>.0^<3,9>.0^<4,8>]-5,10-ジオキサデカシラン)に変換できることがわかった。なお、オクタテキシルオクタゲルマキュバンを過安息酸(MCPBA)で酸化すると、ドデカオキサ誘導体(オクタゲルマセスキオキサン)が主生成物として得られることがわかった。 2.ラダーポリシランの反応 デガイソプロピルビシクロ[2.2.0]ヘキサシランのMCPBAよる酸化では、ドデカイソプロピル-7-オキサビシク[2.2.0]ヘプタシランとドデカイソプロピル-2-オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタシランが一酸化物として生成した。これらのうち、7-オキサ誘導体は、ビシクロ[2.2.0]ヘキサシランにくらべて強い紫外光吸収や蛍光発光を示すが、この特性は酸素のn軌道とケイ素-ケイ素σ結合性軌道との共役に起因するとして説明される。anti-ドデカイソプロピルトリシクロ[4.2.0.0^<2,5>]オクタシランとPdCl_2(PhCN)_2との反応は、新規ビシクロオクタシランとして、ドデカイソプロピルビシクロ[3.3.0]オクタシランとドデカイソプロピルビシクロ[4.2.0]オクタシランを与えた。五環系ラダーポリシランであるanti, anti, anti-ペンタシク{6.4.0.0^<2,7>.0^<3,6>.0^<9,12>]ドデカシランのカリウムによる還元で生成するアニオンラジカルのESRシグナルの強度は温室にて一ケ月後僅かに(19%)減衰するに過ぎないことが判明した。したがって、五環系ラダーポリシランからは、従来のポリシランにくらべて著しく安定で数カ月以上の寿命を有するアニオンラジカルを誘導できることが明らかとなった。
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