機能性有機アルミニウム反応剤の創製とその高選択的合成反応への応用
Project/Area Number |
07216230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 機能性有機アルミニウム / 求核的芳香族置換反応 / 芳香族アルデヒド / 芳香核ケトン / ATPH |
Research Abstract |
芳香環への置換基の選択的導入のため、従来、各種の求核的芳香族置換反応が開発されているが、芳香族アルデヒドやケトンへの共役付加反応については例がない。本研究者は、既にアルミニウム トリス(2,6-ジフェニルフェノキシド)(ATPH)がα,β-不飽和アルデヒド、ケトン類のカルボニル基の安定化、及びその合成的応用として高反応性炭素求核剤のα,β-不飽和カルボニル化合物への選択的共役付加に極めて有効であることを見出している。今回、このアンフィフィリックな共役アルキル化システムを芳香族アルデヒドやケトンへ適用したところ、望ましい結果がえられた。例えば、ベンズアルデヒドのジクロロメタン溶液にATPHを加え、安定な1:1複合体とした後、t-BuLiを加えると、ほぼ選択的にt-ビチル基が1,6-付加p-(t-ブチル)ヘンズアルデヒドが得られた。一方、溶媒をTHF/トルエン系に替え、反応を濃塩酸で止めると、ほぼ選択的に芳香族化していないジエンアルデヒドが得られた。求核剤としてn-BuLiを用いても同様の傾向が見られた。アセトフェノンをt-BuLi/ATPH系で反応させても1,6-付加のみが起こり、1,4-付加体は、全く見られなかった。この反応系を用いて、溶媒効果および反応の後処理法を詳細に検討したところ、トルエン/THF系を用い濃塩酸で反応を止めるとt-ブチル基が1,6-付加したジエニルケトンが選択的に生成し、またジクロロメタン溶媒を用い希塩酸で反応を止めると芳香化したp-(t-ブチル)アセトフェノンが生成することがわかった。α-ナフチルメチルケトンのアルキル化においては、アルキルリチウム求核剤の顕著な位置選択性が見られた。すなわち、MeLiでは、1,4-付加体のみが得られるが、よりかさ高いs-BuLiやt-BuLiでは、ほぼ選択的に1,6-付加体を与えた。一方、中間に位置するn-BuLiを用いると1,4-1,6-付加体がほぼ等量で得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
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