有機金属分子固有の配位機能を利用したジアステレオ面認識能の制御
Project/Area Number |
07216232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
藤澤 有 三重大学, 工学部, 教授 (60115730)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 有機金属試薬 / キレーション / ノンキレーション / キラルイミン / ジアステレオ面選択性 / 安定配座解析 / 分子力場計算 / MM2計算 |
Research Abstract |
有機金属試薬の酸素や窒素等のヘテロ原子への配位機能が中心金属の種類によって大きく変化することに着目し、基質の構造、ヘテロ原子の組み合わせによる影響を考慮しつつ用いる有機金属種を選択することにより種々のジアステレオマ-を選択的に与える反応場を設計し、ジアステレオ面選択性の制御の展開をはかってきた。本研究ではこの様な概念に基づく立体選択的求核付加反応の開発に際し、カルボニルやイミノ化合物の安定配座の分子力場計算による解析が基質の分子設計および反応場の考察に有用な情報を与えることに着目し、カルボニルやイミンへの求核付加反応における立体制御とMM2計算による安定配座解析との関係について詳細に検討した。 光学活性酒石酸より誘導したジオールを不斉源として有するイミンのMM2計算による安定配座解析によれば、二種類の安定コンホ-マ-がありそのエネルギー差は0.1kcal/mol程度であることがわかった。すなわち金属種によっては両方のコンホ-マ-の関与を考慮する必要があり、ノンキレーションあるいはキレーション制御下にもとでジアステレオ面選択性の逆転を説明することができる。一方、L-システインから誘導したキラルイミンおよびアルデヒドのMM2計算による安定配座の解析から、イミンには最安定配座が一構造しか存在しないため金属アセチリドが一方向のみでおこるのに対しアルデヒドには最安定配座として二構造存在し、それぞれにおける金属によるノンキレーションおよびキレーション遷移状態を考慮することにより付加の方向を合理的に説明することができる。以上の様に本研究ではヘテロ原子と様々な金属との配位能力を考慮し、基質の安定配座の分子力場計算による解析は基質の分子設計および反応場の考察に有用な情報を与え、生理活性化合物の立体選択的合成に極めて有用であることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)