14族典型金属の転位を活用する双極子性活性化学種の発生とヘテロ環合成への応用
Project/Area Number |
07216245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小松 満男 大阪大学, 工学部, 教授 (60029197)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ヘテロ環 / アゾメチンイリド / 双極子性活性種 / 転位 / シクロ付加 / 典型金属 |
Research Abstract |
本研究は、14族典型金属元素の分子内転位を活用して双極子性活性種を発生させるという新規な方法論の確立と、そのヘテロ環分子設計への応用を展開することを目的としたものである。 1)ケイ素の1,2-転位によるN-(シリルメチル)イミンからの1,3-双極子中間体発生をさらに詳細に検討し一般化するとともに、各種親双極子剤そのシクロ付加によるヘテロ環合成を展開した。 2)とくに、分子間では反応しない電子求引基のないアルケンを分子内に持ち込むと、効率よく反応し多環ヘテロ環を与えることや、フラーレンとのシクロ付加なども明らかにした。 3)N-(シリルメチル)アミドのシリル基の酸素への1,4-転位によるの発生法を確立し、シクロ付加により多様な含窒素5員ヘテロ環合成を展開した。また、実験ならびに分子軌道計算に基づいてその反応機構を明らかにした。 4)上記の二つのタイプの反応をジシリル誘導体に拡張することにより、さらに多彩な官能基変換が可能となるシリル基をもつヘテロ環が合成できること、発生困難な置換基をもたないアゾメチンイリドの等価体として非常に有用であることなどを明らかにした。 5)本転位反応の触媒反応化について検討し、イミン誘導体から調製したアザアリルアニオンをジフルオロシランと処理することにより、室温以下という温和な条件したでアゾメチンイリドが発生することを見い出した。これにより、イミンの適用範囲が大幅に拡張された。 6)上記の低温反応と熱転位反応では生成物の立体化学が逆転し、両反応が立体化学の制御という点で相補的関係にあるという興味深い結果を得た。半経験的分子軌道計算に基づいてそれらの反応機構を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
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