Project/Area Number |
07216259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上方 宣政 東京都立大学, 理学部, 教授 (70087112)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 光学活性テルル化合物 / ジアステレオマ- / 光学分割 / X線結晶構造解析 / 絶対配置 / CDスペクトル / 旋光度 |
Research Abstract |
d-カンファー-10-スルホナ-トを対アニオンに持つエチルメチルフェニルテルロニウム塩の1:1ジアステレオマ-混合物dia.-1{mp110-120℃,[α]_D+20.0(c1.13,MeOH)]を合成し、分別再結晶を繰り返し行うことにより、光学的に純粋なテルロニウム塩ジアステレオマ-(+)_<Te(MeOH)>-1{針状結晶,mp145-146℃,[α]_D+24.9(c0.96,MeOH),de 100%]および(-)_<Te(MeOH)>-1{プリズム状結晶,mp119-120℃,[α]_D+16.7(c1.03,MeOH),de 100%]をそれぞれ単離することに成功した。得られた光学的に純粋なテルロニウム塩(+)_<Te(MeOH)>-1および(-)_<Te(MeOH)>-1のX線結晶構造解析を行い、テルル原子上の立体化学はそれぞれR配置およびS配置であることが明かになり、また、(R)-(+)_<Te(MeOH)>-1のテルル原子は対アニオンの2つの酸素原子と相互作用をして一次元的にラセンを巻ながら連なる結晶構造を、(S)-(-)_<Te(MeOH)>-1のテルル原子は対アニオンの3つの酸素原子と相互作用をして二次元的に平面状に連なる結晶構造をとり、R体とS体で結晶構造が全く異なるという極めて特徴的性質が明かになった。光学的に純粋なテルロニウム塩ジアステレオマ-(R)-(+)_<Te(MeOH)>-1の対アニオンをアキラルなアニオン(ClO_4^-,BF_4^-,p-ClC_6H_4SO_3^-,10-bornyl-SO_3^-)にイオン交換することにより、光学的に純粋な相当するテルロニウム塩のエナンチオマーをそれぞれ単離することに成功した。これらのエナンチオマー体の旋光度をメタノールおよびクロロホルム中で測定したところ、対イオンがp-ClC_6H_4SO_3^-および10-bornyl-SO_3^-のときは旋光度の符号が逆転するという極めて異常な現象が見いだされた。また、CDスペクトルにおいても第二コットンン効果の逆転がみられた。各種NMR測定により、テルロニウム塩は他のオニウム塩に比べて極性溶媒中で強い溶媒和を受けていることが明かとなり、この強い溶媒和が他のオニウム塩には見られないテルロニウム塩の旋光度やCDスペクトルに異常をもたらす要因であることが明かになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)