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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
1.有機シリコン化合物を原料として,誘導結合型高周波プラズマCVDおよびマイクロ波プラズマCVDにより,酸化シリコン薄膜を低温形成するプロセスにおいて,発光分光法および質量分析法により,プラズマ中のラジカルの挙動が解明でき,形成した酸化シリコン膜の性質との相関関係が判明した. 2.原料の有機シリコン化合物として,4種類のメチル系原料,テトラメトキシシラン(TMOS),メチルトリメトキシシラン(MTMOS),ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS),トリメチルメトキシシラン(TMMOS)を使用した.原料中に含まれるメトキシ基(OCH_3)およびメチル基(CH_3)の数を系統的に変化させた.これら原料の相違により,プラズマ中で解離したラジカルおよび分子の挙動が異なることがわかった.このことと関連し,膜の形成機構が解明された. 3.発光分光によって、酸素を混合しない有機シリコンプラズマ中にCO,OH,CHおよびHのラジカルとH_2の存在を確認した.酸素に関連した化学種からの発光は観測されなかった.これらの発光種は酸素を混合させることにより変化し,酸素の添加効果が明らかになった. 4.フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)およびX線光電子分光法(XPS)によって,膜中の化学結合状態を解析した.この結果,プラズマ中でSiO-CH_3結合は解離され,Si-CH_3結合は解離されないことがわかった.このため,プラズマ中のCHラジカルはメトキシ基から作られるといえる.また,酵素を混合することにより,Si-CH_3結合は解離する.本研究により,原料の形成膜の組成との相関性が解明できた. 5.有機シリコン化合物を原料としたプラズマCVDにおいて,Si-O-Siネットワークが形成されるのは,シラノール基の脱水縮合によると推定できる. 6.発光分光法および質量分析法を使用し,プラズマ中のフリーラジカルの挙動を解析することにより,作製される酸化シリコン膜の組成,性質が予測可能となる.
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