負イオンならびにラジカル生成を伴う分子の電子付着過程
Project/Area Number |
07217223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
嶋森 洋 福井工業大学, 工学部, 教授 (80139815)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 電子付着 / 温度依存 / 速度定数 / 断面積 / パルスラジオリシス / マイクロ波空洞法 / ハロゲン化合物 / 熱平衡化時間 |
Research Abstract |
解離性電子付着により負イオンと中性ラジカル種を生成する過程を対象として、反応速度定数の平均電子エネルギー依存ならびに媒体温度依存を調べ、単色エネルギー電子に対する断面積データの蓄積により、反応過程のより詳細な解明を行うことを目的とした研究の最終年度に当たる。本年度は特に、電子エネルギーと同時に媒体温度を室温から約700kまで変化させて測定する実験法を確立し、CCl_4,CF_3Br,CFBr_3,CHCl_3,c-C_7F_<14>,C_6F_6に適用した。CCl_4では速度定数(断面積)の電子エネルギー依存性は温度によって変化しないが、それ以外の物質では温度依存を示す。CF_6BrとCFBr_3では、速度定数(断面積)は温度とともに増大するが、電子エネルギー増大に対してはどの温度においても減少する。CHCl_3では、低電子エネルギー部では著しく温度とともに増大するが、0.3eV以上の電子エネルギーでは殆ど温度依存を示さない。この場合、2原子分子近似のポテンシャルでは解離性電子付着機構が説明できないことが示された。c-C_7F_<14>とC_6F_6では、著しい負の温度依存が示された。これらは非解離性付着であるので、生成した負イオンからの電子脱離が温度とともに増大するとして説明できる。しかし、詳細な解析の結果、少なくともC_6F_6の場合、電子付着による電子の減衰が実際は電子付着-電子脱離平衡になるまでの過程であることが示唆された。さらに、以上の知見に基づいて、電子付着気体(CCl_4,SF_6,CF_3Br,CHCl_3)を含む希ガス(Ar)中での高エネルギー電子エネルギー変換速度係数の平均電子エネルギー依存について明らかにすることができた。その結果から上記電子付着気体分子との衝突による電子の熱平衡化時間を初めて求めることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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