Project/Area Number |
07221201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 東北大学, 留学生センター, 教授 (40137592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 完一 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (60007234)
福地 肇 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90015884)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 談話の結束性 / 時間の直示 / 指示表現 |
Research Abstract |
言語使用の基本は対話モードであり、話し手と聞き手の間には語用論的な、いわば認知の場が形成される。両者の対話の成立には時空間的な指示表現の相互了解が不可欠である。この場合、話し手の環境表現のデフォールト値は「私・今・ここ」である。発話は言語に依存した認知の場という制約の下で行なわれるが、このような制約とその環境での基本設定値からの逸脱の性質を明らかにすることが対話文の構造の解明のための作業である。 本研究では日本語と英語について、話し手・聞き手の知識構造と認知場を想定し、その中で適切な時間の直示・照応表現を生成できる仕組みを考察した。これと並行して、単文間、複文の主節と従属節間に現れる時制表現の用法を中心とした理論的研究を行った。空間表現「マエ・アト/before,after」を用いた副詞的時間表現や空間移動動詞「クル・イク/have come to,be going to」や存在動詞「イル/be〜ing」を文法化して時制・アスペクトの表現手段とするなど、日英語に並行的な原理が潜んでいる可能性のある現象の検討を行った。このようにして日英語を対照的に観察し、両言語の時間に関する指示表現の特徴を体系的に際立たせ、対話者間の知識構造と認知の場を前提とした時間の直示・照応表現の生成モデルを構成した。 本研究では日英対照データを用いて分析を並行して行なうことにより、時間の直示・照応現象の生成モデルを日本語と英語それぞれについて構成し、それによって両言語で類似の取り扱いが可能な現象とそうでないものとを統合的に観察することができた。
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