スニャエフ=ゼルドビッチ効果に基づくハッブル定数測定と銀河団ガスの密度・温度分布
Project/Area Number |
07222207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉之原 立史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00260505)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 宇宙論 / 構造形成 / 銀河団 / ハッブル定数 / 流体力学 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、銀河団高温ガスの密度および温度分布を、流体シミュレーションを使って詳細に調べることにより、スニャエフ=ゼルドビッチ効果を用いたハッブル定数測定にともなうバイアスを定量的に明らかにすることであった。銀河団高温ガスの進化に関する3次元シミュレーションを用いた研究は、近年さかんに行われている。その結果、標準的な宇宙論モデルで予言される初期条件から出発して、観測されているものと同様なガスの密度・温度分布を再現することに成功している。しかし、これまで行われてきたシミュレーションの分解能が、密度や温度の分布を調べるのに十分であったかどうかについては疑問の余地があった。特に、外側の部分における詳しい温度分布を知ることは、スニャエフ=ゼルドビッチ効果を用いたハッブル定数推定の信頼性を上げるために重要である。 そこで、ガスとダ-クマタ-をそれぞれ最大約6万個の粒子で表し、SPH(smoothed particle hydrodynamics)法によるシミュレーションを行って銀河団高温ガスの密度・温度分布を調べた。初期条件における密度ゆらぎの振幅および位相を固定して粒子数だけを変化させたところ、ガス粒子・ダ-クマタ-粒子の個数が5千個以上である限り、結果はほとんど変わらないことが判明した。これは、SPHという手法が、誤差の評価法まどに理論的に確立されていない部分を残しているにもかかわらず、実用上はかなり信頼性の高いものであることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
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