Project/Area Number |
07222211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
政井 邦昭 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80181626)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | X線放射スペクトル / 二電子性再結合 / サテライト線放出 |
Research Abstract |
天体X線解析に必要なプラズマ放射モデルについて基礎過程の研究および不確定性の定量的評価を行った。不確定要因の素過程として二電子性再結合と多重項基底状態からの励起に絞り込んだ。後者は比較的高い電子密度領域で問題となることから、放射領域の幾何学的構造を含むモデリングに強く依存し原子素過程に直接起因する問題を特定するのは難しい。そこで7年度は、電子密度が低く(コロナ条件)光学的に薄いという条件でspecific強度を議論できる前者について詳しく調べた。実際、銀河団や楕円銀河の高温ガスはコロナ条件で取り扱うことができる。この研究で、二電子性再結合の関わる線スペクトル放射率や再結合率について次のようなことが明らかになった。 1.E/ΔE【reverse curved arrow】0-50程度のエネルギー分解能では、個々のサテライト線強度の不確定性より電離バランスに因る系統 2.鉄・ニッケルのNe-likeからNa-likeへの再結合率に不確定性が大きく、宇宙組成ではとくに鉄の不確定性が放射スペクトルに影響する。 3.鉄の不確定性の影響は1keV(光子エネルギー)以下のスペクトルに顕著で、これに対応して電子温度1.5keV以下のプラズマで不確定性が大きい。 4.E/ΔE【reverse curved arrow】0-50程度の分解能で温度1keV程度のプラズマを対象にした場合、電子温度の決定に対し最大で15%程度、鉄の組成比に対し最大で30%程度の さらに、比較のため同じ計算コードで太陽フレアスペクトルを解析し、上の結果と併せ、楕円銀河の鉄の組成比が太陽組成よりやや小さい値を示すというX線観測の結果は有意であるとの結論を得た。 この論文は殆ど投稿準備を終えた段階にある。今後は、多重項基底状態からの励起過程の研究を進めながら、放射領域のモデリングに依存する問題(共鳴散乱の効果や輻射場・速度場の影響など)を調べていく方針である。
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