超新星・超新星残骸および銀河・銀河団からのラインXガンマ線放射
Project/Area Number |
07222215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤井 紫麻見 日本大学, 理工学部, 講師 (20271520)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 超新星・超新星残骸 / 銀河・銀河団 / X・γ線 |
Research Abstract |
おとめ座銀河団に出現したSN1991Tは,その光学スペクトルから,熱核反応が暴走して爆発するIa型超新星であるとされた。しかし,標準的なIa型超新星に比べてかなり明るく,また極大前の光学スペクトルで中質量元素,特にケイ素のラインが弱く,外層部でそれらの元素が少ないことが示唆された。これらのことから,SN1991Tでは超新星の表面付近でも爆発的元素合成が起こったと考えられ,中心で発生した爆燃波が表面に伝播する途中で爆轟波に変化するというlate detonationモデルなどが提案された。爆発時には放射性元素^<56>Niが多量に合成されるが,これが半減期6.1日で崩壊してできる^<56>Co(半減期78.8日)の崩壊で発生する847keVのラインγ線の強度をSN1991Tのいくつかの爆発モデルに基づいて,理論的に予測した。 コンプトン衛星に搭載されたγ線検出器コンプテルによるSN1991Tの観測では,爆発後約80日で847keVのラインγ線を検出し,その強度は5.3±2.0×10^<-5> photons s^<-1> cm^<-2>であった。距離を15Mpcと仮定すると,late detonationモデルに基づいて予測した強度の1.4-3.1倍と強く,合成された^<56>Niの質量がモデルの1.5-3.3倍,すなわち1.2-2.6M_<【of sun】>も必要である。これは爆発した星の質量より大きい。他のモデルに基づいたγ線強度の数値計算でも,ほぼ同様の結果であった。 さらに適当な^<56>Niの量や分布を仮定して数値計算を行なったところ、これまでの爆発モデルよりも、合成された^<56>Niが、量で数倍多いか、あるいは表面付近に分布していれば、この観測は説明できることがわかった。このような^<56>Niの量と分布を与える爆発モデルを作ることが、今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)