Project/Area Number |
07223102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿部 恭久 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (80000868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 隆宏 甲南大学, 理学部, 助教授 (30202419)
太田 雅久 甲南大学, 理学部, 教授 (30068134)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 超重元素 / 散逸動力学 / 重イオン核反応 / 殻補正エネルギー / スモルコウスキー方程式 |
Research Abstract |
1.超重核は、Z=114,N=184の二重閉殻の存在から、その準安定性が期待されている。そこでまず、液滴模型でのエネルギー計算を行った。表面エネルギーとクローン・エネルギーの原子核の形状の関数として求めた。もちろん、通常の自然界に存在する元素と違って、安定点はなく、従って、たとえ形成されても、ただちに分裂を起こして崩壊する。閉殻に伴う補正エネルギーが重要な役割を演ずる訳であるから、これを一粒準位から計算した。これらの和は、10MeV程のポテンシャル・ポケットを球形近傍に有することがわかり、過去の計算と一致した。 2.超重核の生成には、重イオン核反応を用いることになるので、必然的に励起した核をまず生成することになり、その時は殻補正エネルギーは消えていると予想される。従って、安定な超重核を得るためには、早く冷却させる必要がある。冷却の早さ及びそれに伴う殻補正エネルギーの回復の早さが重要となる。冷却は統計的な粒子放出(蒸発)により進行するので、その早さは原子核の準位密度及び反応のQ-値で決まる。従って、我々は準位密度パラメーターの計算を一体模型で行い、その形状及び温度依存を調べた。さらに殻補正エネルギーの形状及び温度依存も同様に調べた。後者は、Ignatyukの簡単な表式とよく一致することが解った。 3.上記の知識に基づき、重イオン核反応で形成された二原子核複合体の動的振る舞いをFokker-Planck方程式を簡単化したSmoluchowski方程式を用いて解いた。 4.集団的運動のエネルギー散逸の機構としては、One-body wall-and-window formulaを用いた。この公式の有効性は、代表者等によって、A=200原子核の分裂の解析から知られている。 5.通常、殻補正エネルギーを利用することを念頭に置き、出来るだけ近い励起エネルギーの複合核を形成することを考えているが、我々の解析では、必ずしも最低エネルギーが最適ではなくE^*【similar or equal】30MeV近傍で、生成断面積が最大になることを発見した。 6.これは、拡散による形成と殻補正エネルギーの回復による分裂防止との最適化になっている。現在、A Novel Mechanism for Synthesis of Superheavy ElementsとしてPhys.Rev.Lett.へ投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)