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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,鉄の中に打ち込まれたLi, Be, B, C, N, O, F不純物核について不純物核の位置と,周辺格子の緩和をパラメータとした,2次元空間内の束縛曲面を第一原理に基づいて計算し議論した.束縛曲面の極小は四面体位置あるいは八面体位置で格子緩和が不純物核と最近接母体原子との間の距離に換算して8%〜10%のあたりに生じる。周期中頃にある元素(B, C, N)では八面体位置が,両端(Li, Be, O, F)では四面体位置が極小になっている 。ただしOでは両位置のエネルギー差は大変小さい.束縛曲面のようすから,不純物核は四面体位置-八面体位置-四面体位置を結ぶ谷にそって移動していくことが可能であること,熱的に谷底を移動するためには,0.2〜0.5eV程度の活性エネルギーが必要であることがわかる.ただし,直感的にもっとも簡単に移動する道筋は四面体位置を直接結ぶbccウィグナーザイツ・セルの稜にそって動くことであり、この場合を考えればLiやFははるかに容易に四面体位置の間を動く可能性がある. 束縛曲面の極小位置でもとめた超微細磁場は実験の一般的傾向を良く説明することも明らかになった.実験との一致は格子緩和を考慮したとき初めて得られるものでその重要性が指摘された. この研究を通じて明らかになったことは,上記の運動が,単に不純物核イオンの自由度のみで記述されるわけではなく,マクロな自由度と強く結びついている点である.このことは、一般にη軸方向のダイナミックスも無視することはできず,不純物核の断熱ポテンシャルのみを考えていたのでは十分ではないことを意味する.ここで考えた束縛曲面を正準ポテンシャルと考え汎関数積分法を用いることによってより完全な不純物核イオンの記述を与えることによって,不純物核のダイナミクスや高温でのふるまい,低温での量子効果を議論することが今後の課題である。
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