Project/Area Number |
07224203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 安雄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10127277)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 亜鉛プロテアーゼ / 緑膿菌アルカリプロテアーゼ / X線結晶解析 / 複合体 / 構造変化 |
Research Abstract |
亜鉛プロテアーゼの原子レベルでの反応機構の解明を通じて時分割ラウエ法による動的結晶解析法を開発するため、セラチア菌プロテアーゼと緑膿菌アルカリプロテアーゼの二種のZnプロテアーゼの反応機構解析を進めてきた。既に両酵素の立体構造を明らかすることができた。この成果を踏まえて阻害剤や基質類似物との複合体のX線結晶解析を行い、基質結合時の酵素および基質の立体構造変化を解析した。リガンドとして阻害剤一種類(peptidyl mercaptoanilide誘導体)および合成ペプチド二種類(Z-Ala-Gly-Gly-Leu、Ac-Tyr-Val-Gly)を用いていずれも10mM濃度の水溶液に母結晶を浸漬して複合体結晶を調製した。酵素が塩基性アミノ酸残基のC末端側のペプチド結合を好んで加水分解する性質があることから、Bz-Phe-Arg基を有する阻害剤をアセトン60%を含む結晶化溶媒に溶かして用いた。R-AXIS IICで収集した回折データと酵素分子の座標パラメータから計算した位相とを用いて得られた差フーリエ図は、リガンド結合様式および酵素の構造変化を明確に表すものであった。この解析から次の様な事が明らかとなった。基質が酵素活性部に接近してきて主鎖のカルボニル酸素を活性亜鉛に配位させて酵素に結合すると、第五配位子であったY216は亜鉛から離れて基質と水素結合して基質を安定化させる。更に、活性部入り口にある柔軟性に富んだループ(Y190-D196)は入り口を閉じるように構造を変化させて基質と水素結合し、基質を安定化させる。基質と酵素に観られるこのようなコンフォメーション変化が起こる順序は明確ではないけれど、この構造変化が基質の酵素による加水分解反応に重要であるに違いない。この結果は、時分割ラウエ法での動的結晶解析による酵素反応機構解明に向けての大きな進歩であるといってよいであろう。
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