Project/Area Number |
07224206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 敏昭 大阪大学, 理学部, 助手 (70151165)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | アクチンモノマー / 非重合アクチン / ミオシンヘッド / アクトミオシン / X線小角散乱 / 結晶化 |
Research Abstract |
我々は筋収縮のエネルギー変換を蛋白質の分子構造に立脚して理解するために、最小単位であるアクチンとミオシン頭部の単量体コンプレックスを調製し、その結晶化とX線結晶構造解析ならびに溶液X線散乱による溶液構造解析を併用してエネルギー変換中のアクトミオシン分子の構造解明を目指した。昨年度はG-アクチンを二価性架橋剤マレイミドベンゼン酸エステル(MBS)処理後、さらにサブドメインIIのチロシン53をジアゾニウムテトラゾル(DHT)で化学修飾した結果、ファロイジンを作用させても全く重合しないがミオシンと結合するアクチンモノマーを調製し、MBSによりアクチンとミオシン頭部S1との1:1架橋複合体を形成させることに成功した。今年度は架橋複合体と可逆結合したアクチンモノマー・S1複合体のX線溶液散乱実験をし、原子モデルを構築した。架橋複合体のX線溶液散乱実験から算出した分子の形態を表す慣性半径はS1単独(40オングストローム)より著しく大きく、約60オングストローム、原子散乱強度から求めた分子量は300kDa近くあり、推定分子量(150kDa)の約2倍あり比較的高濃度蛋白溶液中では複合体ダイマーと考えられた。一方混合して可逆的に強く結合したアクチン-S1複合体のみの散乱強度分布は遊離アクチン、S1を補正すると混合モル比に関係せず一致した。算出した慣性半径は50オングストローム、分子量150kDa、最大分子コード長は180オングストローム、アクチン-S1重心間距離70-80オングストロームとなった。これらを指標にしてアクチン、S1の原子座標を用いて散乱強度分布を最適化するドッキングモデルをコンピューターにより探索したところ、S1先端近くにアクチンが結合することが確定した。しかし完全な一致は得られないので、この違いが何によるのか水分子の配位、ドメイン間内部運動などモデル起算により検討している。 以上、現在までアクチン・ミオシン複合体モノマーの結晶化には至っていないが、これらの試料のX線溶液散乱実験はかなり進展した。現在結晶化を精力的に押し進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)