Project/Area Number |
07225217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡辺 一之 東京理科大学, 理学部, 講師 (50221685)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 電界効果 / 原子操作 / 原子スケール / 表面拡散 / 第一原理分子動力学法 / 拡散係数 |
Research Abstract |
平成7年度研究計画の中で、「表面原子拡散に対する電界効果」に対し研究成果が得られたので、その概要をまとめる。 本研究では、第一原理分子動力学法(FPMD)により強電界下のSi(100)表面上で熱拡散する場合の吸着Si原子の拡散経路、拡散係数、表面各原子の振動動力学を調べ、表面動的過程に対する電界効果を定量的に明らかにした。はじめに、電界がない場合の表面ポテンシャル曲面(PES)を計算すると、異方的な拡散経路につながる特徴的なPESが得られた。Si(100)表面上の拡散の強い異方性はSTMによる実験でも観測されている。次に、強電界(〜1V/Å)を加えると、PES(活性化障壁V)の凹凸が減少し、さらに拡散の異方性が抑制された。その原因は、吸着原子の周りで電界により誘起された分極エネルギーの大きさが、原子の吸着位置にきわめて強く依存している事にある。また、この現象が電界の方向に依らないという計算結果も分極エネルギーから説明される。以上の内容を、論文として報告した。 拡散係数の電界依存性が、活性化障壁(V)の他に振動数因子(D_0)にも強く現れる事が、吸着原子を含めた表面原子の振動動力学のシミュレーションによりはじめてわかった。その結果、電界による拡散の異方性の抑制効果がさらに加速された。表面原子の振動により誘起される原子脱離現象は実験的にも注目されている事から、電界による振動動力学抑制の可能性は、これから興味ある問題になると思われる。さらに、今回の計算結果はエピタキシ-の素過程を電界で制御できる事を示唆し、応用面に対する寄与も大きいといえる。
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