マグマ水蒸気爆発の発生機構に関する実験的研究(火山噴出物との比較)
Project/Area Number |
07226209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 學 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80115550)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | マグマ水蒸気爆発 / 蒸気爆発 / 溶融玄武岩 / 引張強度 / テイラー不安定 |
Research Abstract |
マグマ水蒸気爆発の発生機構が、工学の分野で研究されてきた高温溶液(溶融金属)と低温液体(水、アルコール)の接触による蒸気爆発の発生機構と同じものであるかどうかを明らかにするため、溶融玄武岩(マグマ)の単一球を水中に落下し爆発が生じるかどうか、また高速度ビデオカメラを用いて溶融玄武岩と水の界面にどのような現象が生じるかの観察、爆発破片の粒度分布の測定をまず行った。 炭酸ガスレーザによる玄武岩の加熱溶融で球を作り、水中に落下させる実験では直径が5mm程度までは多くの場合爆発に至った、水中落下から爆発に至るまでの時間は長く1秒以上にも待ち時間がある場合もあり、0.5秒以下の短い待ち時間のケースはなかった。ビデオ映像から水中に落下後、溶融玄武岩と蒸気界面は激しく振動し、不安定を示し、表面剥離が生じていた。この現象は溶融金属と低温液体との接触による爆発で見られるものと類似している。しかし大きな爆発は溶融玄武岩と蒸気界面の振動がかなり静まった後に突然おとずれるようである。また溶融玄武岩の直径の半分程度まで蒸気膜が成長し、激しく振動していても爆発に至らなかったケースもあった。また爆発破片のサイズは大きく個数もかなり少ないのが常で微粒化は生じなかった。さらに爆発の規模を測ったが、爆発による圧力は低く、0.1〜0.01MPaに過ぎなかった。これは、工学での蒸気爆発とマグマと水の接触による爆発のメカニズムに違いがあることに起因するかも知れない。上記の結果は自発的な蒸気爆発であり、強制的なトリガーによる爆発では同様な現象が見られるかを調べる必要がある。 爆発における破壊では物理量として知っておく必要のあるものに溶融玄武岩の引張り強度がある。従来このような則定例はなく、本研究におけるものが最初であった。このような物理量を入れた爆発破壊モデルの構築が今後必要である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)