Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
阿蘇中岳で発生するマグマ水蒸気爆発に関する物理量を把握するためには,火口周辺の空間的なスケール(物差し)がどうしても必要である.そのため,本研究では,阿蘇中岳の火口壁に見られる岩層や岩塊からなるいくつかの目標物の相対的な位置関係を測量して決定した.これらの目標物間の見かけの距離が分かっていることは,今後のマグマ水蒸気爆発の規模や噴出岩塊の飛行速度の見積もりに重要であり,そのための準備が整いつつある.一方,長時間の連続火口監視VTRモニタリングを,阿蘇火山博物館の協力を得て行っている.残念ながら現在までのところ,この装置によって捕らえられた爆発はなく,今回導入した機器による観察結果を確かめる段階に至っていない. 阿蘇中岳からのマグマ水蒸気爆発は過去にも多数起こっている.それらの規模と性質を知ることも,マグマ水蒸気爆発の性質を明らかにするために非常に重要である.そこで,それらの噴出物の分布や性質についても調査した.その結果,現在より約1000年前には非常に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こっていたことが明らかになった.その噴出物は中岳の東方約10kmで厚さ20cmにも達するものである.また,九重火山の噴火に伴う火山灰についても阿蘇中岳のものとの比較検討のための調査も行なった.その結果,九重火山の1995年10月の噴火は水蒸気爆発で,同12月20日以降の噴火は,マグマ水蒸気爆発であったことが明らかにできた.それらの成果については,今春の日本火山学会および日本地質学会で発表することになっている. 本研究の成果の一部はすでに公表しているが,さらに検討を重ね順次公表していく予定である.
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