Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70234846)
川久保 洋 東海大学, 医学部, 講師 (70204691)
伊藤 敦 東海大学, 工学部, 助教授 (80193473)
小宮山 真 東京大学, 工学部, 教授 (50133096)
藤田 斉 東海大学, 健康科学部, 教授 (10096258)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,細胞という生体環境場で,遺伝子DNAの変異あるいは外来遺伝子の情報伝達によって発現される病気を,光化学反応によって阻止し,病気を起こさせなくする手法の開発を目指している. 光応答型オリゴヌクレオチドとして,核酸への結合あるいは切断機能を有する蛍光色素フルオレセインで修飾した11merオリゴヌクレオチド(以下 F-DNA 図1)を合成し,試験細胞にヒト培養ケラチノサイトを用いて,F-DNAの 1)光照射による塩基配列相補的なDNAへの光結合あるいは光切断反応 2)細胞内導入法 3)細胞内親和部位の検出と細胞内取り込みプロセスを検討した. はじめに,細胞質内の親和小器官について検討した.アンチセンス療法やアンチジーン法の研究者等は様々な手法で,薬剤の細胞内取り込みを検討している.しかし,取り込みプロセスを明確にしているものは殆どない.本研究では,F-DNAの細胞内への導入プロセスはエンドサイトーシスの可能性が強いと考察し検討した.F-DNA包埋リポソームがエンドサイトーシスで細胞内に導入される場合,F-DNAの細胞質内の親和小器官はリソソームであるとの仮定が成立する. リソソーム内には種々の加水分解酵素が存在しており,その一つにβ-ガラクトシダーゼリソソームマーカー酵素がある.この酵素は,フロロジェニックな基質フルオレセイン ジ-(β-D-ガラクトピラノシド) (FDG)に出会うとFDGを分解させ蛍光フルオレセインを放出させる.このFDGの発蛍光性をマーカーとして,FDG包埋リポソームの細胞質内の親和小器官を検討した.リポソームの細胞質内の親和部位はリソソームと判明した. 次に,核部のF-DNA親和部位について検討した.核小体内の蛍光強度は,細胞質内小器官の蛍光強度より高く検出され,この蛍光は励起後約30秒で褪色した.結果1)を考慮すると、核近傍でF-DNAの光結合の可能性が示唆された. 以上まとめると,F-DNA包埋リポソームはエンドサイトーシスによって細胞内へ導入され,さらに核部の核小体に親和する.F-DNAがシソソームから核へ移行する過程については現在なお検討中である.
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