二次元結晶工学に基づく電荷移動錯体の形成制御と光誘起電子移動
Project/Area Number |
07228202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 単分子膜 / スチルベン / 光異性化反応 / 電荷移動錯体 / 蛍光顕微鏡 / 光誘起相変化 |
Research Abstract |
有機分子を思い通りに配列し高い秩序性を有する分子組織を構築することで、従来の均一溶液系とは異なった新しい光化学の創出が期待される。本研究は、LB膜や二分子膜などの二次元分子集合体の高度な分子組織性に注目し、光誘起電子移動に深く係わっている電荷移動相互作用を制御するとともに効率の良い電子移動系を開発することにある。 ジアミノスチルベンジスルホン酸の長鎖ジアシル誘導体はパイ電子発色団を親水基に有しており、単分子膜ならびに二分子膜などの二次元凝結晶系における電子供与性部として期待される。また、スチルベン化合物は光によるトランス-シス異性化反応としめすことから、電荷移動相互作用や電子移動の光スイッチングも可能となる。そこで単分子膜中における光異性化挙動を検討した。気液界面に形成される単分子膜の表面圧-面積等温線は、1.4平方ナノメーターからの急激な圧力上昇をしめしており、スチルベン環を水面に平行に配列した凝縮相が形成されていると考えられる。この状態に366nmの紫外光を照射すると面積の著しい減少が観察された。20mN/m以下の圧力であれば単分子膜中に於いても交互照射にともなう可逆的な面積変化が観察された。オクタデシルロ-ダミンBを蛍光プローブとして添加したトランス体の単分子膜では、低い圧力でも多くの結晶ドメインが形成される。366nmの光照射に伴い結晶相が消失し視野全体が明るくなった。ここの254nmを照射すると、ふたたび結晶相が出現した。この変化は可逆的であり、異性化反応によるものと考えられる。シス体は、おそらく分子間のパッキングが弱いために流動的な膜を形成するので、体積増加を伴う反応であっても抑制されにくいものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)