包接化合物を含む、束縛環境下における光反応スピンダイナミックス
Project/Area Number |
07228241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村井 久雄 東北大学, 理学研究科, 助教授 (50142261)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | TMPD / 光電導度検出ESR / 光検出ESR / ラジカルイオン対 / 磁場効果 / スピン化学 / 光イオン化 / マイクロ波効果 |
Research Abstract |
本研究題目においては、光化学初期過程において生成するラジカル対を強い束縛環境下に置き、ラジカル間のスピン相関および磁場やマイクロ波の化学反応へ及ぼす寄与を積極的に研究するものである。今年度はクーロン力による束縛を光検出と電気電導度検出によるESR測定を行い、以下の新しい知見を得た。 1)光検出時間分解ESR法:TMPDの2-propanol溶液に関して、その過渡的ラジカルイオン対からの逆電子移動による遅延蛍光観測から光検出時間分解ESR測定を行なった。その結果、ラジカルイオン対の共鳴磁場において、遅延蛍光強度の数%に及ぶ減少が観測された。この結果は、ラジカルイオン対の前駆状態が一重項であることを示している。この信号は、減衰振動しており、ラジカル対における量子力学的スピンの挙動として理論的説明が出来た。 2)光電気伝導度(光電導度)検出法は、生じた過渡的ラジカルイオン対から解離して生じる自由イオンラジカルを電場をかけた電極間の電流変化として磁場効果やマイクロ波効果を観測する新しい方法である。この手法により、ラジカルイオン対に関する新しい情報を得ることができる。まず、外部磁場効果は、このラジカルイオン対が三重項状態から反応していることを明らかに証明した。次に、この系に磁気共鳴条件下で強いマイクロ波を印加したところ、電導度変化として時間分解ESRスペクトルの観測に成功した。このスペクトルは異常に線幅が広がり、全体的にはマイクロ波により三重項状態からの反応が促進されたことを示している。また中心付近においては反応が抑制されている証拠が認められた。このような光電導度によるESRの検出手法によるラジカルイオン対の観測法は世界で未だ類を見ない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)