DNA環境場におけるNAD^+類縁体の光電子移動反応
Project/Area Number |
07228244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
未延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | DNA / NAD^+類縁体 / 光電子移動反応 / 核酸塩基 / NADH類縁体 / ヒドリド移動反応 / GMP / 臭化エチジウム |
Research Abstract |
DNAには種々のカチオン性分子を取り込むことができる。DNAは特定の核酸塩基間で水素結合のネットワークを有し、取り込まれた分子の酸化還元特性が変化する。また取り込まれた分子の分子配向、分子間距離を容易用意に変化させることができるので、DNAは光反応のダイナミクスを調べる上で非常に興味深い反応場である。また、核酸塩基自身の光反応もDNAの光切断反応を考える上で重要な研究課題である。本研究ではニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD^+)は生体内電子伝達系の重要な補酵素であるが、種々のNAD^+類縁体がDNAに取り込まれることを見いだした。臭化エチジウムがDNAに取り込まれることは以前から知られているが、臭化エチジウムの一重項励起状態からNAD^+類縁体への光電子移動はDNA反応場では顕著に加速される。しかしDNAに取り込まれたNAD^+類縁体は、NADH類縁体からのヒドリド移動反応に対する反応性は全くなくなる。すなわちDNAはNAD^+類縁体の電子移動反応は加速するが、ヒドリド移動反応は阻害する。このDNAの反応場としての効果の顕著な差異について、取り込まれた分子の酸化還元電位の変化および立体効果からその原因を明らかにした。 また、種々の核酸塩基とNAD^+類縁体との光反応を行うと、核酸塩基としてグアノシン-5′ーリン酸(GMP)を用いた場合のみ光反応が起こることがわかった。種々の核酸塩基の電子移動酸化反応の結果と比較検討することにより、GMPの特異な反応性は、他の核酸塩基に比べて、その酸化電位が低いこと、ラジカルカチオンの酸性度が高いことに起因することがわかった。その光反応機構の詳細について検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)