Project/Area Number |
07228259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
杉森 彰 上智大学, 理工学部, 教授 (40053590)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 長寿命ラジカル / 金属錯体ラジカル / 光解離 / ジチオレン錯体 / 置換基効果 / 粘度効果 |
Research Abstract |
含硫黄遷移金属体(メタラジチオレン)の光反応で生成する、ベンゼン溶液中・室温の条件下で数十分という異常に長い寿命を持つ、特異な金属錯体ラジカルの特性(特に、その寿命)を研究し次の事を明らかにした。 (1)架橋型S, S'-ジアルキル付加体の光化学的挙動をESR, UVの同時測定などによって追跡した結果、1, 4-ブタンジイルを架橋部位とするニッケル錯体の光解離は3段階で進み、10s程度の寿命を持ちアルキルラジカルと再結合してもとに戻る金属錯体ラジカルの他に、さらに長寿命のラジカルが存在し、これがアルキルラジカルを熱的に放出して遊離のジチオレン錯体を与える。 (2)金属錯体ラジカルのさらなる長寿命化を目的に、中心金属の効果、置換基効果を検討した。中間に生成する金属錯体ラジカルの寿命は、Pd>Ni>Ptの順であり、パラジウムを中心金属とする錯体ラジカルの寿命は数十分に達する。 (3)さらに外部環境の与える効果を溶媒の粘度との関連で調べた。溶媒の粘度の増大は金属錯体ラジカルの寿命を短くする傾向にある。 われわれの系は、光の作用によって、大きな光吸収スペクトルの変化を生み出すばかりでなく、磁性の発生と消滅をも伴っており、光・磁気機能性の面から大きな可能性を持っている興味深い系であることが分かった。
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