Project/Area Number |
07228262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
伊吹 和泰 同志社大学, 工学部, 専任講師 (30201940)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 拡散律速反応 / 記憶効果 / 拡散方程式 |
Research Abstract |
拡散律速反応の速度論を理解する上で重要である以下の二点について研究した。 まず、拡散律速反応の速度定数の時間依存性に対する摩擦の記憶効果を解析した。昨年は一般化フォッカー・プランク方程式に基づいた計算を行ったが、同様に記憶効果と慣性効果とが取り扱える方程式として、本年は一般化拡散方程式を出発点とした計算を行った。反応のモデルは、古典的なスモルコフスキ理論と同等のものであるが、慣性と摩擦の記憶の効果によって、速度定数は大きく影響を受けることがわかった。すなわち、反応速度定数は時間とともに単調に減少し定常値に達するが、その時間変化は通常の拡散方程式に基づくスモルコフスキ理論よりも緩やかであり、摩擦の記憶効果が長時間に及ぶようになるとそれがさらに緩やかになる。これは、昨年一般化フォッカー・プランク方程式から導いた結論と定性的に一致する。二つの理論から同じ効果が得られたことは、理論的解析の妥当性を示しているものと考えられる。今後、計算機実験などを行い、現実との対応を研究する予定である。 次に、拡散係数の見積もりについてモデル計算を行った。一般に粘度と分子半径から拡散係数を見積もるために使われるストークスの法則を、局所的な粘度を考慮に入れて改良することを試みた。局所的粘度の効果は、拡散係数だけでなく、他の輸送性質(回転拡散や溶液の粘性)をも説明出来ることが明らかになった。
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