Project/Area Number |
07228264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 健一郎 広島大学, 理学部, 教授 (90106162)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 放射光 / 表面光化学 / 内殻励起 |
Research Abstract |
本研究では、内殻電子励起による固体表面分子の光分解反応の構造を調べ、分子を任意の位置で自在に切断するという化学反応制御の究極の目標の1つに密接に関連する分子内サイト選択的化学反応の可能性を追求した。具体的には、低温吸着法で作製した有機分子薄膜を試料に用い、直線偏光した放射光による内殻電子の共鳴吸収スペクトルの角度依存からその正確な帰属を試み、帰属の明らかとなった共鳴励起による分解反応生成物との対比から、サイト選択的分解反応機構の解明を行った。これまでに得られた研究成果の概要を以下に記す。 1.シリコン単結晶表面に単分子層吸着したギ酸分子の軟X線励起イオン脱離反応を調べた。脱離イオンの同定と検出には、単バンチ運転による放射光パルスを利用した飛行時間型イオンの分光法を用いた。ギ酸分子の炭素K殻電気励起では、H^+,C^+,CH^+,O^+,CO^+,CHO^+の脱離が観測され、その収量スペクトルの形はそれぞれ異なっており、励起エネルギーに強く依存することが調べられた。同時に測定したオージェ電子収量スペクトルおよびイオン-イオン・コインシデンス測定の結果との比較から、この系でのイオン脱離過程には、種々の共鳴励起状態が関与し、脱離イオン種の強度は共鳴励起状態の性格に強く依存することが明らかとなった。 2.上記のギ酸分子の結果とこれまで我々の行ってきたPMMA薄膜(100A厚)の結果から、『特定の結合に強く局在した反結合性の非占有軌道へその結合近傍の原子の内殻電子を共鳴励起する。反結合性による結合力の低下とオージェ過程による近傍の結合性軌道の電子の排除とにより、結合切断がその特定の結合で起こる確率が高い』ことが見いだされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)