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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
我々は,酵素反応のメカニズムに着目して,酵素・基質複合体および酵素・阻害剤複合体のコンフォメーションを解析し,酵素分子活性中心の基質遷移状態のコンフォメーションを固定したミミックをデザインするという新しく論理的な方法を用いてアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤の合成研究を行なってきた. この方法をさらに発展させて,HIVプロテアーゼとそのアナログを固相法により化学合成し,基質や阻害剤と複合体を形成して相互作用の解析をX線結晶解析,NMR,分子モデリング等の手段を用いて行った.即ち基質,阻害剤分子単独のコンフォメーションと,超分子形成時のコンフォメーションとの詳細な比較解析を行った.その結果を基に酵素と阻害剤の分子認識に基づく阻害剤の構造活性相関研究を行った. 1.HIV-1プロテアーゼの合成. HIV-1プロテアーゼの合成は我々が開発した効率的固相合成法およびChemical Ligation法で行った.また純度の高いプロテアーゼを得るためビオチン誘導体の形で精製した. 2.基質の合成. 基質としてp17/p24,p24/p15,p15/PRに相当する各種ペプチドを合成した. 3.阻害剤の合成. 遷移状態誘導体の概念に基づいてレトロウイルスに特徴的な基質の切断部位Phe-ProおよびTyr-Pro(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型[CH_2-NH],ヒドロキシエチレン型[CHOH-CH_2],ジヒドロキシエチレン型[CHOH-CHOH]等に変換し,各基質遷移状態誘導体を合成した. 4.酵素結晶化とX線解析. 高活性で安定な酵素蛋白結晶化及びそのX線構造解析を行った. 5.分子モデリングをコンピュータを用いて行い,酵素と基質複合体の構造解析を行った.
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