Project/Area Number |
07230201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 冬彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10219446)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ジテルペン / ビニグロール / ヨウ化サマリウム |
Research Abstract |
高度に酸素官能基化された多環性ジテルペン類の中には顕著な生理活性を示すものが多数知られている.これらジテルペン類の作用機作の解明は生命科学の上から重要な発見につながると期待されており、効率的な不斉全合成が強く望まれている.報告者は低原子価希土類金属による環元カップリング反応を用いることで,これらジテルペンの複雑な縮環系が効率よく構築できると考えた.このタイプの環化反応は環化と同時に酸素官能基が導入できる点、近傍の酸素官能基による立体制御の可能性がある点などから、高度に酸素官能基化された多環性骨格の形成には大変都合がよい.近年、二ヨウ化サマリウムなどの低原子価希土類金属を使う有機合成反応が活発に研究されている.その中にあって炭素-炭素結合生成反応は特に重要であるが、高立体選択的な反応は比較的少数である.報告者は低原子価希土類金属を用いる還元カップリング反応をこれらジテルペンの全合成に適用し,汎用性が高く,しかも高立体選択的な炭素-炭素結合生成反応を開発することを目的として研究を進めている.本年度はビニグロールを合成研究を行った.その過程で新しいタイプの二ヨウ化サマリウムによる立体選択的な環化反応を見出した.すなわち,エステル基により二ヨウ化サマリウムによる還元的カップリング反応が立体制御でき、しかも、その立体選択性は以前見出した水酸基制御のカップリング反応とは逆になることが分かった.この新しいタイプの立体選択的環化反応は様々な生理活性天然有機化合物の全合成に広く使えるものと考えている.
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