希土類架橋ヘテロダイマーにおける面間相互作用と金属の役割
Project/Area Number |
07230204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 希土類ポルフィリン / ポルフィリンダイマー / 面間相互作用 / 時間分解ESR / 電荷共鳴状態 / 励起子状態 / 励起三重項状態 |
Research Abstract |
パルスを含む時間分解ESR法を用いて希土類ポルフィリン励起三重項と希土類内包フラーレンの電子構造・ダイナミクスの研究を行った。 A.希土類ポルフィリンモノマーおよびダイマーの励起三重項(T_1) 本研究では、イットリウムポルフィリンモノマーT_1のESRパラメータの解析およびY上のスピン密度の決定を行った。また、ESRのパラメータを用いてダイマーの面間相互作用を評価する理論式を導出して、希土類架橋ダイマーに適用した。その結果、以下の点が明らかになった。 1.T_1のすぐ上にJahn-Teller couplingで分裂したT_2があり、T_1の性質にはT_2とのスピン軌道相互作用(H_<s o>)を考慮する必要がある。 2.TPP錯体とOEP錯体ではΔE_<TT>(E_<T2>-E_<T1>)が異なる。OEP錯体のgおよびDの大きな異方性は、ΔE_<TT>が小さくH_<s o>の影響が大きいことで解釈できる。 3.YOEP^+におけるY(III)上のスピン密度が0.011と求められた。 4.ダイマーの面間相互作用は、Y錯体よりLa錯体、TPP錯体よりOEP錯体が大きいという結果が得られ、理論計算から、これらは分子間の共鳴および交換積分の違いで解釈できることがわかった。 B.固体希土類内包フラーレン C_<60>およびC_<70>結晶中のLaC_<82>のXおよびQバンドのESRスペクトルを4.2Kから423Kの範囲で観測した。stochastic Liouville方程式を用いて各温度(T)の回転相関時間(τ_r)を求めた。τ_r〜Tのプロットから2つの活性化過程(3.5,0.9Kcal/mol)の存在がわかり、それぞれ分子の束縛回転と自由回転によると解釈した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)