Project/Area Number |
07230230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
増田 芳男 新潟大学, 理学部, 教授 (50018347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 弘 新潟大学, 理学部, 名誉教授 (10018145)
湯川 靖彦 新潟大学, 理学部, 助教授 (50200861)
島倉 紀之 新潟大学, 理学部, 教授 (40111314)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ランタニド錯体水和物 / 熱分析 / ヘキサシアノコバルト(III)酸錯体水和物 / X線構造解析 / ラマンスペクトル |
Research Abstract |
前年度の研究で、一連のランタニドヘキサシアノコバルト(III)酸錯体水和物は、La〜Nd錯体では5水和物、Sm〜Lu錯体では4水和物となることを明らかにした。本年度はこれら水和物の脱水挙動を熱分析を中心に検討した。4水和物の脱水反応は2段階で進行することが分かった。第1段(3分子の水)の脱水開始温度は原子番号の増加に連れて、La〜Nd錯体では徐々に330から350℃に上昇し、さらにSm錯体では400℃に上昇した後、緩やかに低温側に移動する傾向が認められた。これは、希土類金属のイオン半径の減少によるランニドイオンと配位水の相互作用の増加と、イオン半径の減少で配位圏が縮小し、それに伴って配位構造の不安定化が増加するという二つの効果によって説明できる現象と考えられた。第2段(1分子の水)の脱水反応に伴うΔHおよびΔSは原子番号と共に増加する結果を得た。これら1水和物のX線回折パターンは類似しているが、希土類イオンのイオン半径の減少と共に面間隔の縮小が認められた。従って、上記のΔHおよびΔSの挙動は、格子空間の縮小に伴い水分子に対する水素結合が強くなるためと考えられた。 5水和物の脱水反応は、まず1分子の水が脱水して4水和物が得られ、これ以降の脱水挙動は4水和物のそれと類似した。また、1個の水分の脱水により生成される4水和物には準安定相の存在を示唆する結果が得られた。結晶構造解析によると、La〜Pr錯体5水和物では水3分子が希土類イオンに配位しているのに対し、Nd錯体では3分子の内の水1分子の配向には二つの可能性が存在することが示唆されている。脱水反応のΔHおよびΔSの詳細な解析結果は、この可能性の存在を支持する結果を与えた。
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