二金属アルコキシドによるリチウム希土類ケイ素酸化物の薄膜化とイオン伝導性
Project/Area Number |
07230231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 峰夫 新潟大学, 工学部, 教授 (30149984)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ゾルゲル法 / イオン伝導体 / リチウムイオン伝導体 / 希土類 / 金属アルコキシド / 薄膜 |
Research Abstract |
イオン伝導体の薄膜化は、化学センサーやリチウム二次電池などのイオン伝導体を用いる素子のコンパクト化や高性能化にとって極めて重要である。我々は、このゾルゲル法で薄膜化が可能なリチウムイオン伝導体としてLiRSiO_4(R;希土類元素)に注目してそのイオン伝導性を調査してきた。本研究では、前年度に薄膜化が成功しているカンラン石構造をもつLiYSiO_4の薄膜化の方法を参考にしながら、この方法をアパタイト構造を有する軽希土類元素を含む系に応用し、この系のバルクで確認された粒界伝導性を薄膜中に導入することを試みた。本実験で用いたコーティング法による結晶化過程を追跡するために、種々の温度下で合成した薄膜の結晶性を調査したところ、500℃付近で既にバルク相であるアパタイト型のLi_xLa_<10-x>Si_6O_<24>・O_<3-x>(1≦x≦3)の生成することがわかった。この系の固相間反応による合成には1000℃以上の温度を必要とすること、さらにLiYSiO_4系における同様なゾル・ゲル法での化合物の生成には700℃以上の温度が必要であったことと比べると格段に低温合成が可能なことを示している。薄膜の伝導度は、明らかに焼結体のそれよりも約一桁向上した。薄膜のコールコールプロットはいずれの温度においても単一の半円が得られたので、バルク伝導度と粒界伝導度を分離することができなかったが、このことは粒界部分が有効に連結され良好な伝導経路が形成されたためと考えられる。すなわち、粒界伝導性が支配的なLiLaSiO_4においては、高温合成によって得られる結晶成長した粒子径の大きい焼結体であるが故に孤立した粒界が存在し、それがイオン伝導性に有効なパスとして機能していない部分が多く存在すると考えられる。しかし、本研究で用いたゾル・ゲル法を用いた低温合成による薄膜化中では孤立した粒界が極端に減少し、大部分の粒界が有効な伝導パスとして機能しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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