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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
昨年度においては,sp結合性元素物質における原子間距離と平均擬ポテンシャル半径の間に成り立つ線系関係から希土類元素のsd混成度を算定した。本年度においてはこれらのsd混成度を剛性率を用いて再評価するために,まず66元素物質に対して有効擬ポテンシャル半径(r_<ps>)と剛性率(B)の関係を調べた。その結果,これらの物理量の間には; B=Cr_<ps>^<-m>(ただしCとmは元素の結合性に依存する定数である。)なる関係が成立することが明かとなった。Cとmは元素の結合性に依存し,希土類元素に対してはC=85.7およびm=6.70が得られる。これらの定数は元素物質の結合様式(換言すると平均角運動量)に依存し,いま希土類元素の平均角運動量を3と仮定すると,希土類元素に対する平均のsd混成度として81%の値が得られる。この数値は原子間距離から導出された数値(73%)とかなり良い一致を示している。個々の希土類元素物質に対する剛性率の実測値と計算値を用いてそれぞれの希土類元素のsd混成度を算定すると、Euを除いて20%以内の精度で原子間距離から決定したsd混成度と一致した。したがって,希土類元素のsd混成度はEuとYb除いて70%〜80%であることが得られた。また,YbとEuは40%〜50%のsd混成度であると推定される結果が得られた。これらの結果は日本希土類学会において発表する予定であり,また著名な外国雑誌に投稿中である。さらに,希土類元素を含む実用材料の設計に応用することを試みている。
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