不斉な希土類(III)錯体結晶の近赤外円偏光発光スペクトル
Project/Area Number |
07230279
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
森田 眞 成蹊大学, 工学部, 教授 (70054351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヘレン マルクス 成蹊大学, 工学部, 助手 (10255953)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Rare Earth / Near Infrareed / Circularly Polarized / Luminesceuce |
Research Abstract |
序論:不斉な希土類(III)錯体はその薬理活性および化学反応性での立体選択性に特色があり、研究の発展によってはその不斉構造およびその認識を利用した興味深い応用が考えられる。励起状態の不斉な構造については、これまで唯一の手段として円偏光発光(:CPL)分光法が知られている。しかし近赤外(NIR)領域(0.7-1.5mm)での測定は全く試みられていない。そこで本研究はNIR-CPLシステムの構築とその応用を目的とする。実験:まず、NIR領域で発光する光学活性金属錯体をもとめて、いくつかの試料の合成を試みた。粉末試料の合成では、アミノポリカルボン酸(APC)を配位子とし、Eu,Tb,Nd,Er,Ybなどを中心金属とする各種光学活性希土類(III)錯体の粉末の合成は従来の方法により行った。分光システムの設計製作では、NIR-TLおよびDecayの測定システムの設計とその応用にとりかかった。NIR-CPLでは、Ge検知器の光応答が遅いので、本年度も自作の光弾性器を光チョッパーを用いて制作した。結果と考察:1)APC錯体では、K[M-l-edds)]2H_2O(M=Nd,Yb,Er)などの粉末および水溶液は消光によりNIRでの発光を検知できなかった。合成試料を用いて、Tb(l-edds)/Nd(l-edds)錯体の混合溶液における発光寿命、CPLスペクトルおよびエネルギー移動効率を検討した。Tb-Nd edds混合錯体系におけるエネルギー移動と掌性構造の変化については、錯体分子間の共鳴伝達エネルギー移動が成立し、不斉因子gは濃度Cと発光寿命tに依存し、解析式としてg(C)/g(O)=τ/τ_0で表せることが解った。2)NIR-CPL測定システムの設計の後、β'-GMO:Er^3+単結晶における、NIR-CPLスペクトルの観測を行った。ここで、β'-GMOはGd_2(MoO_4)_3の略であり、注目すべき6500cm^<-1>にある鋭い発光に対して、二つのサイトのうち片方がNIR-CPLを4.2kで示しことをはじめて見いだした。これは、今後の発展が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)