結晶環境下の分子構造最適化法による分子認識機構の解明と結晶内反応経路への応用
Project/Area Number |
07231220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | エネルギー勾配法 / 構造最適化 / 高分子鎖間水素結合 / S・SCF法 / キトサン / 分子認識 |
Research Abstract |
われわれは、結晶環境下の分子構造最適化のためのS-SCF法を提唱し、いくつかの系に適用し、その信頼性の高いこと、および応用性の広いことを明らかにしてきている。本研究課題においては、このS-SCF法を分子認識機構の解明に応用する第一段階として、水素結合系への適用を試みた。すなわち生理活性を有することが知られている多糖類の一種であるキトサンの構造が、キトサンの高分子鎖間水素結合にどのように支配されているかを調べた。 すなわち、まずキトサンのグルコース骨格の二重体を考え、その分子構造をエネルギー勾配法によって最適化した。その結果は、二個のグルコース環をつなぐ部分の二面体角を除いて、ほぼ実験値と一致した。しかし、上述の二面体角は、X線回折によって実験で得られている値と大きくずれていることがわかった。この原因は明らかに、キトサンの高分子鎖間水素結合に対応する二量体の水素結合の効果を無視していることによると考えられる。そこで、二個のグルコース環をつなぐ部分の二面体角を実験値と同じ値にして、その二面体角に対応する部分の力を計算したところ、かなり大きい力が残っていることがわかった。この系に、順次水素結合をさせてどの水素結合が、もっともその力を小さくさせるかを調べたところ、当該二面体角の近くの二個の水素結合が重要な役割を果していることがわかった。今後、この方法をより一般化して、分子認識機構へ応用する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)