ヘテロ五員環拡張型新規分子を成分とする有機伝導体の構築
Project/Area Number |
07232204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 かず子 東北大学, 理学研究科, 講師 (60004321)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 分子性金属 / 拡張型BEDT-TTF / ヘテロ五員環 / [3]ラジアレン型分子性金属 / 二次元性 / 結晶構造解析 / 縮環型電子供与体 / ラジカルカチオン塩 |
Research Abstract |
種々の新規骨格構造を有するヘテロ五員環拡張型電子供与体と含テルル[3]ラジアレン型電子受容体を開発し、有機伝導体に導き、伝導挙動と構造解析を行い、以下の研究実績を挙げた。 1.無水チオおよび無水セレノコハク酸に4,5-ジカルコゲノ-1,3-ジチオール-2-チオンを段階的に作用させ、脱水素して4種のチエニルおよびセレニエル拡張TTFのテトラカルコゲン誘導体を合成した。 2.セレニエニル拡張BEDT-TTF(1)の結晶構造ではカラム内、カラム間でS…S接触による二次元性シート状ネットワークが形成されており、(1)が二次元性有機伝導体を与えやすい分子であるという興味深い実事が分かった。1の1塩は高伝導性であった。 3.無水チオおよび無水セレノフタル酸に同種および異種の1,3-ジチオール-2-チオンを段階的に作用させて、場合により脱エステルして6種のベンゾチエニルおよびベンゾセレニエニル拡張TTFを合成した。 4.ベンゾセレニエニル拡張BEDT-TTF(2)の各種のラジカルカチオン塩を電解酸化法で作製し、X線結晶構造解析を行った。その結果、二量体内と二量体間の重なり積分が均一である事が伝導度の向上に重要である事を明きらかにした。 5.2,3-ジフェノキシシクロプロペノンに無水酢酸とβ-アラニン存在下、テルリエニルマロノニトリルを作用させ、酸化して好収率でビス(ベンゾキノ)ジシアノメチレンテルリエニルシクロプロパン(3)を合成した。 6.3のTTF錯体は室温から182Kまで金属的であった。この錯体のX線結晶構造解析に成功した。結晶中で3はHed to tail型に3員環とテルロフェン環部分で均一に積層し、面間距離は3.432Åであった。熱起電力の実験からTTFのカラムではなく、3の積層カラムが伝導に関与していることを明きらかにすることが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)