Project/Area Number |
07232216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 章 東京工業大学, 理学部, 助手 (40251607)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | π-d相互作用 / 電荷移動錯体 / 分子磁性体 / 磁性 / 伝導性 |
Research Abstract |
本年度は磁性と伝導に興味の視点を置き、1)TTF系ドナーを持つ電荷移動錯体中に遷移金属磁性d電子を導入した系、および2)π電子系の磁性が発現する系について研究を行った。1)の系については(BEDT-TTF)_3CuBr_4の圧力下での磁化率測定、高圧下での伝導度測定を行い、常圧59Kに存在する一次相転移がモット半導体からバンド半導体への転移であることを明らかにした。また、伝導度の実験から20kbar以上において、Cuスピンの磁気相転移が金属伝導電子の影響を大きく受ける可能性が明らかとなった。磁性d電子の存在する系として新たにC_1TET-TTF・FeX_4および[Ni(dddt)_2]_3(FeX_4)_2(X=Cl, Br)を開発するとともに、それらの結晶構造解析、磁性の測定を行った。この結果、[Ni(dddt)_2]_3(FeBr_4)_2については、6Kに反強磁性転移が見いだされた。またC_1TET-TTF・FeX_4は低次元磁気構造を持つことが明らかとなり、反強磁性転移が9K(X=Br)、4K(X=Cl)に見いだされた。2)については、(BEDT-TTF)_2X(X=ICl_2, AuCl_2)の磁気測定を行い、二次元的磁気構造を明らかにした。いずれの塩も面内交換相互作用は59Kであり、また面間相互作用がアニオンXの大きさに大きく影響されることが明らかとなった。さらに、(BEDT-TTF)_2Br・C_2H_4(OH)_2の磁性および伝導に関する実験を行った。この系では温度に依存して3つの相が存在し、190K以上の高温領域では局在スピンの存在する強相関金属状態となり、80-190Kは一次元ハイゼンベルグ磁性体としての特徴を持ち、80K以下においてスピン-パイエルス状態となることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)