近藤半導体における輸送現象(ホール効果、電気抵抗)の研究
Project/Area Number |
07233221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
平岡 毅 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039249)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 近藤半導体 / ホール効果 / 電気抵抗 / CeRhSb / CeRh_<1-x>Pd_xSb / 高圧 / 置換 |
Research Abstract |
研究実績は2つの内容に分けられる。 (1)高純度化CeRhSb単結晶による輸送現象(ホール効果、電気抵抗)の圧力効果 3種の結晶方位I//b,H//a(a);I//a,H//b(b);I//b,H//c(c)を持つ試料について研究を行った。5K以下の低温、では高圧下においては電気抵抗、ホール効果共に(a),(b),(c)の全ての方位について増大がみられた。ホール効果は高圧下では急激な増大を示した。その結果は常圧下では低温でホール効果、電気抵抗から導いたエネルギーギャップE_gは共に凡そ等方的であった。これに対し圧力係数ΔE_g/ΔPは正で且つ異方的であった(CeNiSnの逆)。また(b)の方位の試料は両者に共通に最小の値を示し、さらにホール効果ではこの方位は低温常圧下で最大値を示す(CeNiSnでもこの方位は最大の値)ものに対応し、またこの方位は試料のε-TiNiSi型結晶における最小の格子常数の方向にも対応している等の興味ある事実が得られた。 (2)CeRhSbにおけるRhのPdによる置換効果 RhをPdで3%置換したCeRh0.97Pd0.03Sb多結晶についてのホール効果と電気抵抗についての研究を行った。ホール効果は低温では半導体的急増が劇的に抑制され、1.6Kでは1f.u.当たりのキャリア数は70×10^<-3>となり置換しない試料の同温度での値4.8×10^<-3>と比して大幅な増大を示した。これをエネルギーギャップの変化としてみると丁度1桁ほど減少している結果となった。電気抵抗でも類似の抑制が見られたが全温度の温度依存性は置換しないものと類似な傾向を示した。これらのことはRhをPdでの置換がd電子数うの増大に伴いコヒーレンスの乱れを生じ、擬ギャップが抑制されることを示し、近藤半導体における低温での特異性は結晶の完全性に極めて敏感であることを示す結果を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)