Project/Area Number |
07234204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 琢也 東京大学, 教養学部, 助手 (00251330)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | サブポアソン光 / 量子雑音 / 非古典光 / スクイージング / 発光ダイオード |
Research Abstract |
半導体発光素子は、注入する電流の揺らぎを小さくすることにより、非古典光(サブポアソン光)を比較的容易に発生することができる。非線形光学効果による非古典光の発生に比べると、実験装置が簡便である、エネルギー効率が良い、デバイスの構造や電子系を変化させることによるシステムの制御性が良い等の利点がある。従来、この発生過程は、確率過程として記述できると思われていたが、注意深い定量的な比較から、実験で測定される雑音の減少量は、単純なポアソン過程による予測値とは定量的に一致しないことがわかった。このような不一致は、素子の平均発光効率が、微分発光効率と異なる場合に見られる。微分効率が、サブポアソン光の発生過程で果たす役割を考慮した理論式を直観的な議論で導き、実験結果と比較した。その結果、新しい理論式と実験結果は良く一致した。このことから、単純なポアソン過程による抽象が不十分であることがわかった。次に、素子のI-V特性と効率の関係を調べた。LEDの発光効率は、注入電流の大きさにより変化する。この現象は、トラップ準位の存在を仮定し、有限の個数のトラップ準位が飽和を起こすことにより、定性的に理解できる。定量的な議論をするために、接合電圧と電流の関係を実測し、トラップ準位が存在するときの順電流を与える理論式にフィッティングした。得られたフィッティングパラメータにより効率を推定し、実測した効率と比較すると、素子によっては良く一致した。また、定電流駆動された半導体発光素子から発生したサブポアソン光の光子数分布関数を初めて測定した。
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