Project/Area Number |
07234212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小川 哲生 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50211123)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ジョセフソン接合 / 光子場のスクイズド状態 / サブポアソン光子数統計 / 朝永-ラッティンジャー流体 / フェルミ端特異性 / 長距離クーロン相互作用 |
Research Abstract |
本年度は輻射場の制御に用いる電子場として、1.ジョセフソン接合中のク-パ-対、2.朝永-ラッティンジャー流体の2つの場合の研究を継続して推進した。 1.量子化されたマイクロ波光子場を電子系によって制御するモデルとして、輻射場で満ちたジョセフソン接合共振器中をトンネルするク-パ-対を考察した。定電流電源で電流バイアスされた接合を想定し、ジョセフソン位相の古典量周りの量子揺らぎと接合共振器中の輻射場との相互作用系の理論モデルを創った。その準古典極限(電子系はc数で近似)は昨年度考察し直交位相振幅スクイズド光が得られる結果を得たが、今年度は全量子力学モデルを用いて輻射場の直交位相振幅スクイジングや光子数統計の超伝導電流による制御可能性を明らかにできた。また、輻射場との相互作用に起因する反作用として超伝達電流の揺らぎも特異な性質を持つことがわかった。 2.フェルミ面の存在が光学応答に及ぼす多体効果として「フェルミ端特異性(FES)」に着目しているが、従来は短距離力として近似されていた電子間あるいは電子-正孔間のクーロン相互作用の長距離性を取り込んで理論的考察を進めた。量子細線ではその低次元性のため「遮蔽」効果が弱いと考えられており、実際の物質系に即した方向への理論展開である。縮退電子系を朝永-ラッティンジャー(TL)流体として記述し、TLボゾン化の手法により伝導電子間の電子相関を低エネルギー極限で正しく取り入れ、相互作用の波数依存性をあらわに考慮した1次元系のFESを初めて解明した。1/r型の長距離相互作用では光学スペクトルはエッジ付近でかならず零に収束し、従来知られている「べき発散」は生じない。任意の有効相互作用長の場合も一般的に考察し、光学スペクトル形状と相互作用到達距離との関連について基礎的知見が得られた。今後は、非線形光学応答でのFESを考察する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)