複雑液体における異常緩和現象の非線型誘電スペクトロスコピーによる研究
Project/Area Number |
07236219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
折原 宏 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30177307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真 名古屋大学, 工学部, 助手 (40262886)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 非線型誘電率 / 過冷却液体 / 液晶 / 複雑液体 |
Research Abstract |
複雑液体の線型誘電緩和については現在まで多くの研究がなされ,異常緩和と言われる特徴的な緩和現象が見出されている.これに対し,非線型誘電率の測定例は少なく,複雑液体の非線型緩和についてはほとんどわかっていない.一般的に複雑液体は非線型性が強いと考えられるので,非線型誘電率にも複雑液体に特有な特徴が観測され,さらには非線型誘電率の研究により線型の異常緩和の起源が明らかとなる可能性がある.本研究では,100Hzから100kHzまでの周波数にわたり非線型誘電率の測定できるシステムを開発し,これを用いて液晶および過冷却液体の非線型誘電緩和の研究を行った. 本年度の研究により,線型誘電率ではほぼ同じように振る舞う強誘電性液晶と過冷却状態のトリメチレングリコールが3次の非線型誘電率では全く異なることがわかった.つまり,前者においては3次の非線型誘電率の実部が周波数ゼロの極限で有限値に留まるのに対し,後者においてはゼロになった.この実験結果より,前者の非線型性の起源がポテンシャルであり,後者では散逸であることがわかった.ポテンシャルの非線型は通常の相転移において重要であることは良く知られているが,過冷却液体のようにグラス転移をする物質においては本研究により散逸の非線型が重要な役割を担っていることが明らかとなった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)