動的光散乱法によるイオン性高分子溶液中の協同運動と単独運動の特異性に関する研究
Project/Area Number |
07236226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (40165783)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 動的光散乱 / イオン性高分子 / 拡散係数 / 協同運動 / イオン雰囲気 / クラスター形成 |
Research Abstract |
高分子溶液は、溶質である高分子そのものが「複雑」なものとして「複雑液体」の範疇に含められる。イオン性高分子溶液においては、溶質が高分子である上にイオン性基を有しており、分子内および分子間に強い静電的相互作用が存在すること、かならずカウンターイオンが存在し、静電的相互作用が存在することを考えると、イオン性高分子溶液は「超複雑液体」とも言える。特に、電気的中性の原理の要請から、高分子イオンとカウンターイオンは溶液中でもあるディメンジョン以下のスケールでは一体として存在する必要がある。このように、大きな高分子と小さなカウンターイオンが拡散挙動中においても、一体として運動することが、イオン性高分子の動的挙動の特異性発現の根源であると考えられる。本研究では、動的光散乱法(DLS)により,特に低イオン強度下における高分子イオンの動的特性を調査した。ラテックス粒子分散液系に関しては、粒子間相互作用がほとんど存在しないと考えられる希薄系において動的光散乱により粒子の拡散係数のラテックス濃度依存性を調査した。その結果、拡散係数はラテックス濃度減少とともに小さくなっていく傾向が確認された。これは、ラテックス濃度減少にともない、系のイオン強度が減少しデバイ長(ラテックス粒子周りのカウンターイオンの広がり)が大きくなり、拡散挙動において余計なエネルギーロスを起こしていることを反映していると考えられる。また、偏光解消動的光散乱により、異方性(回転楕円体)ラテックス粒子の回転拡散挙動を調査したところ、剛体の場合に予想される理論値にくらべ遅い回転拡散挙動が観察された。また、この傾向は、粒子が小さいほど顕著であった。これは、デバイ長が同等の場合、その影響は粒子が小さいほど大きくなることで説明でき、やはりカウンターイオンの影響と考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)