Project/Area Number |
07237205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米満 賢治 東北大学, 工学部, 助教授 (60270823)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピンギャップ / 電子格子相互作用 / ハーフ・フィリング近傍 / 繰込み群 |
Research Abstract |
フィリングがハーフ・フィリングからずれることによって、反強磁性的絶縁相から超伝導相に変わる銅酸化物は、超伝導を示す手前のフィリングでスピン・ギャップを示す。超伝導がd波である可能性が高いので、絶縁相から超伝導相までの広い領域で、銅の3d軌道上の斥刃が明らかに大きく効いている。従って超伝導相近傍のスピン・ギャップは引力的相互作用を仮定して説明される通常の電子束縛状態とは異なった機構で生じている。本研究では、弱くても低エネルギー物性に大きく関わっている可能性のある電子格子相互作用を取り入れて、金属絶縁体転移及び超伝導相の近傍でスピン・ギャップが形成される可能性を示した。解析的な方法が可能な1次元系で、電子と格子の自由度をともにボゾン演算子で表すハミルトニアンを考える。1次元系では摂動論に対数発散が現れるが、それを無限に足しあわせたことに対応する繰り込み群を用いる。ボゾン表示では2次元古典系の繰り込み群に帰着する。フォノンがスピンと電荷を結合することと、ウムクラップ過程がハーフ・フィリング近傍で有限のエネルギー・スケールまで効いていることに注意して、繰り込み群の方程式を導いた。他のグループによる電子格子相互作用の繰り込みの方法の間違いを訂正し、反断熱極限を正しく再現する。上述のエネルギー・スケールが小さくなるハーフ.フィリング近傍でスピン相関は大きなフィリング依存性を示し、実際にスピン・ギャップ相が現れる。この相では電荷密度波相関が優勢であるが、電荷ギャップはなく金属的である。絶縁相はハーフ・フィリングでので現れる。フィリングをさらにずらすと、電子間斥力が優勢か電子格子相互作用が優勢かによりそれぞれ密度波相関が優勢なギャップレスの金属相がスピン・ギャップを伴う超伝導相のみが一般に現れることがわかった。
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