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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
La_<2-X>Sr_XCuO_4系については最適ホールドープ領域であるx=0.15,金属絶縁体転移近傍の金属相に属するx=0.06,過剰ドープ領域にあると考えられるx=0.20の3種の試料について高温領域(〜900Kまで)の^<63>Cu核スピン-格子緩和時間T_1を測定し,以前から得ていた母絶縁体化合物x=0の結果と比較検討した.その結果,高温領域のT_1^<-1>はド-ピング量の増加とともに増大し,明らかなド-ピングレベル依存性が存在することが分かった.また,x=0.15やx=0.20の高温領域ではT_1^<-1>が温度上昇とともに増大する成分を持つことが分かった.これらの結果は,以前に指摘されていた,T_1^<-1>がド-ピング量や温度に依存せず,高温領域のスピンダイナミクスが絶縁体相のスピンダイナミクスと同等であるとされた結果と一致しない.やはり金属相は局在モーメントを持つ絶縁体相とは異なるスピンダイナミクスを示すと結論される.我々は,x=0.15のT_1^<-1>の温度依存性が軽ドープ高温超伝導体YBa_2Cu_4O_8と似ていることから,この系と同様な解析をし,軽ドープ域の反強磁性相関の温度低下による成長を反映する成分(T_1^<-1>)_<AF>を評価した.(T_1^<-1>)_<AF>は高温領域で負のワイス温度(θ)を持つCurie-Weiss(CW)的振る舞いから正のθを持つCW的振る舞いへと変化する.これらの成果を論文として公表した.この異常な振る舞いの理論的解釈が待たれる.YBa_2Cu_3O_X系についてはx=6,x=7の試料を作成し,絶縁体相と金属相のT_1^<-1>の違いを調べることを目指した.まず,絶縁体相x=6のCu(2)サイトの信号を探索したが,現段階では検出されていない.Cu(1)サイトの信号は得られたので,高温領域までT_1^<-1>を測定し,異常な温度依存性を示す結果を得た.この結果は絶縁体相のスピンダイナミクスを反映しているものと考えられ,現在公表準備中である.X=7の金属相については現在測定中である.
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