Y123系良質単結晶を用いたオーバードープ域超伝導と相分離の研究
Project/Area Number |
07237224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石田 武和 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00159732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝岡 秀人 日本原子力研究所材料研究部, 研究員
奥田 喜一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50028205)
川又 修一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50211868)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 高温超伝導 / 対称性 / 磁気トルク / 面内異方性 |
Research Abstract |
高温超伝導でd波超伝導が実現しているならばCuO_2面に本質的な異方性が期待できるであろうとの立場で研究を推進した。試料は朝岡の作成したY123単結晶をdetwinして用いた。面内トルクはsinusoidalに角度変化するとしてΤ_<ab>=Τ_0+Τ_<2θ>sin2(θ_<ab>-θ_2)+Τ_<4θ>sin4(θ_<ab>-θ_4)で調和解析をした。角度θ_<ab>は磁場Hとa軸のなす角度である。ここでΤ_<2θ>とΤ_<4θ>はab面内トルクの2回対称成分と4回対称成分である。c軸の回りに磁場を回転させたときのトルク曲線(0.8T,90K)にはヒステリシスはない。温度を下げるとトルクにヒステリシスが生じる。トルクの可逆成分を磁場増加測定のトルクΤ_<inc>と磁場減少測定のトルクΤ_<dec>の平均として近似的に求めた。77Kでの面内可逆トルク(0.8T)の解析を行うとΤ_<2θ>=1.2×10^<-8>N・m,θ_2=42.4degrees,Τ_<4θ>=-4.6×10^<-9>N・m,θ_4=-0.98degreesを得た。|Τ_<4θ>|はΤ_<2θ>の38%にも達する。しかし、θ_4はほぼ0のままである。2回対称性が90Kのデータと異なる。これは試料の幾何学的形状による異方性が効いているためである。4.2K、20mT測定するとマイスナー状態の幾何学的異方性のみが支配的になった。三角関数の2回対称成分を二つ重ねても4回対称性は表れない。いろいろな磁場と温度で同様の測定をしてもΤ_<4θ>は負でθ_4はほぼゼロである。トルクは自由エネルギーの角度微分(Τ=-∂F/∂θ)である。4回対称性Τ_<4θ>sin4θ(Τ_<4θ><0)を担う自由エネルギーは磁場がa軸あるいはb軸にかけられたときに極小になることを実験事実として示している。高中と窪谷、真木らのd波超伝導の上部臨界磁場の計算ではH_<c2>は4回対称性を示し、極大値はd_<x^2-y^2>対称性についてはθ=0,π/2,π,3π/2,2πで、d_<xy>対称性についてはθ=π/4,3π/4,5π/4,7π/4で起こる。H_<c1>(〜H_<2(/)C>/H_<c2>)はH_<c2>と逆の傾向を示すはずである。磁化がM【approximately equal】-H_<c1>ln(H_<c2>/H)lnκで表されるとすればd_<x^2-y^2>の場合磁化の容易軸はθ=0,π/2,π,3π/2,2πの方向になると考えられる。自由エネルギーの極小値は磁場が容易軸の方向に向いたときであるから、バルクd_<x^2-y^2>対称性がツインフリーのYBa_2Cu_3O_7単結晶で実現していることを支持している。また、d_<xy>対称性の可能性は排除される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)