Project/Area Number |
07238212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井原 邦夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (90223297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向畑 恭男 名古屋大学, 理学部, 教授 (10028110)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 古細菌 / 好塩菌 / 岩塩 |
Research Abstract |
本年度は新たに岩塩を採掘、単離することはできなかったが、平湯でおこなわれたセミナーをきっかけとして信州大学の秋山教授から、約4億年前の岩塩の提供をうけた。岩塩中の赤色の分布は、放射活性、X線原子吸光分析の結果、KClの分布と一致しており、好塩菌の持つカロテノイド色素による可能性が強く示唆された。しかし、この赤色色素は、有機溶媒では抽出されず、大部分は酸性水溶液で抽出され、抽出物の可視部吸収スペクトルは、FeCl_2水溶液のスペクトルと酷似していた。このことから、大部分の赤色色素は、酸化鉄に由来していると判断した。しかし、KClの分布が鉄の分布に一致している事は説明できない事や、酸化鉄に混じってKClを蓄積した好塩菌が微量存在する可能性は捨てられない事等から、岩塩100gを種々の好塩菌の培養液に溶かし、培養を試みた。同時に、溶解試料の一部を使って、PCR法による、好塩菌の16S rRNAの増幅も試みた。長期培養の結果、全ての培地において好塩菌の増殖は観察できなかった。また、PCR法によって増幅する特異的断片は存在しなかった。 本年度の実験結果は全て否定的ではあったが、用いた岩塩試料が少ないため、否定的結論を出すには、まだ実験量が少ないと考える。PCR法の結果は、16S rDNAの存在すら否定するものであるが、岩塩溶解試料を濃縮する方法を工夫すれば違った結論が出るかもしれない。今後、電子顕微鏡による観察を併用し、形骸も含めた好塩菌の数を明らかにしながら、復活の実験を進めていく。
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