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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
マイクロ電極を用いた局所領域の電気化学反応の研究手法を1ケの固体微粒子あるいは固体超薄膜に応用し,固体内のリチウムイオン輸送の速度論的解析を的確かつ迅速に捉える測定法を構築することを目的として研究を行った.長焦点距離を有する光学顕微鏡下で3次元マイクロマニピュレータを操作し,カレントコレクターとなるマイクロ電極を1ケの粒子表面に接触させ,ボルタンメトリーその他の電気化学測定を行なう測定技術を確立し,本手法の優秀さを立証できた.電流リ-ドとなるマイクロ電極には,被測定物の電極応答に影響しないカーボンマイクロ電極を用いた. 本手法により,LiCoO_2,LiNiO_2,LiMn_2O_4,LiMn_<1.8>Co_<0.2>O_4,V_2O_5の層状化合物純物質について,サイクリックボルタンメトリー(CV)法,電気化学インピーダンススペクトロスコピー(EIS)法,ポテンシャルステップ法等の電気化学的非定常法を用いて固体内のリチウムイオン輸送の速度論的解析を検討した.これらの層状酸化物についてはクエン酸法を用いて合成したが,いずれの試料も層間に由来する003面が強度に発達した良好な結果がXRDにより確認できた。 CV法による検討では,LiCoO_2,LiMn_<1.8>Co_<0.2>O_4が可逆でサイクル特性に優れたなリチウム挿入/脱離反応を起こすことがわかり,PS法を用いたLiCoO_2固体内のリチウムイオン拡散係数は2x10^<-10>cm^2/sであった.EIS法による検討では,LiCoO_2固体内のリチウムイオン拡散係数は電位の影響,すなわちLiCoO_2内のリチウム組成に大きく依存して変化し,Li^+が30%抜けた辺りである3.9-4.0V vs 1M Li^+/LiではD=2x10^<-10>cm^2/sと極大値を示した.また,リチウムイオン拡散係数から計算された固体内の,Li^+イオン伝導度は10^<-6>S/cmであり,マイクロアレイ電極を用いたin situ導電率測定からは10^<-2>S/cmという電子伝導度が得られているから,Li^+イオン伝導度はそれよりも4オーダー低い値が得られた.
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