トリチウム分離用の新型プロトン導電体開発に関する研究
Project/Area Number |
07239228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻 利秀 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023305)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | プロトン伝導 / ペロブスカイト型酸化物 / メスバウアー分光 / 電気伝導率 / イオン輸率 / 酸素分圧 / 水蒸気分圧 |
Research Abstract |
プロトンによる良好な電気伝導を示す固体は、水素センサー、燃料電池、同位体分離などの機能性材料として強く望まれている。本研究では、セリウム系、ジルコニウム系ペロブスカイト型酸化物に加えて、4価でBサイトに入りうる最大イオン半径のトリウム系酸化物のメスバウアー分光と電気伝導率測定を行った。以下に得られた本研究成果を記す。 (1)国内外を通して初めてBaCe_<0.9>Eu_<0.1>O_<3-α>試料のユウロピウムのメスバウアー分光を行った。この試料の異性体シフト(δ=1.29mm/s)は、2価のEuSO_4の値(δ=-13.77mm/s)よりも3価のEu_2O_3の値(δ=1.02mm/s)に近く、ユウロピウムは固体内で3価で存在することが明らかとなった。 (2)1000K付近におけるBaTh_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>試料の全電気伝導率は、以前我々が測定したBaTh_<0.9>Nd_<0.1>O_<3-α>試料の約2倍、BonanosらのBaCe_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>試料の約3倍大きく、BaTh_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>試料はこれまで報告されている試料の中でも非常に高い伝導体に属する。BaCe_<0.9>Eu_<0.1>O_<3-α>試料の電気伝導率は我々が以前報告しているBaCe_<0.9>Nd_<0.1>O_<3-α>試料の値とほぼ同一であることが判った。 (3)乾燥気流中、Po_2=10^3PaにおけるBaTh_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>試料の酸素イオン輸率は1276Kでの0.06から、1043Kでの0.07へ、温度の減少と共にわずかに増加することが明らかとなった。 (4)CaZr_<0.9>Fe_<0.1>O_<3-α>およびBaTh_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>試料の全電気伝導率が水蒸気分圧依存を示すこと、BaTh_<0.9>Y_<0.1>O_<3-α>と同様な結晶構造を有するBaTh_<0.9>Gd_<0.1>O_<3-α>試料で、プロトン伝導が支配的であることなどから、これらの試料はプロトン伝導であることが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)