Project/Area Number |
07239247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Science University of Tokyo、Suwa College |
Principal Investigator |
三井田 陸郎 東京理科大学諏訪短期大学, 教養部, 教授 (10004376)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 酸化物イオン導電体 / 欠陥蛍石型構造 / 電子回折 / 変調構造 / 逆位相構造 |
Research Abstract |
酸素イオン伝導を示す欠陥蛍石型酸化物において、異種カチオン間、酸素・空孔間およびアニオ・カチオン間の相互作用は格子変調を引き起こし、イオン伝導に影響すると考えられる。その原因を解明するため、本研究はX線および電子回折法によりY_2O_3-Nb_2O_5系の蛍石型固溶領域とそこに生じる変調構造を調べた。 粉末X線回折の実験から、21-27mol%Nb_2O_5の組成領域に蛍石型固溶相が存在することを確認した。固溶領域では電子回折パターンには固有の散漫散乱が観察された。この散漫散乱は結晶中に2×(111)格子面間隔の超格子ができ、[111]晶帯軸を共通にした多くの逆位相境界がランダムに分布した逆位相変調構造で説明できる。同じ試料の高分解能電顕像には、随所に逆位相境界が観察され、電子回折の結果が裏付けられた。これらの観察をもとに(110)面に投影した2次元的な逆位相変調構造モデルを提案した。それによると変調構造は[112]方向に沿ったカチオンおよびアニオンの組成変調波と変位変調波から成り、いずれも正弦波で表される。カチオンのNb占有確率は0.21±0.21の範囲で、またアニオンのO占有確率は0.85±0.05の範囲で変動している。カチオンおよびアニオン変位波の振幅はそれぞれおよそ0.02Åおよび0.3Åで、アニオンの変位は異常に大きいことがわかった。 Oイオンは移動する際にカチオン副格子の(111)面のつくる正三角形網目を通り抜けるから、その正三角形の中心を[111]方向に通過するとき最も抵抗が小さいと考えられるが、現実の結晶では格子変調により、導電イオンが系統的に大きく変位しており、イオン伝導の妨げになっているものと考えられる。
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