水素結合型分子クラスターの固体表面衝突による分解反応
Project/Area Number |
07240204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楠 勲 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 毅 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90261479)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | クラスター / 固体表面 / 分解反応 / アンモニア / エチレン / シリコン |
Research Abstract |
本研究では、純エチレンと純アンモニアガスを用いてノズルビームを作成し、室温でのSi(100)表面に照射した。ビーム中にはこれらのガス分子のクラスターが含まれている事が質量分析計で確認できた。室温のSi表面上でエチレンおよびアンモニア分子が化学吸着することは昇温脱離法で確かめられた。また、吸着した化学状態をX線光電子分光(XPS)でも調べる事が出来た。ガスフロー法では、これらの分子は室温表面にあまり吸着しない事から、クラスターを含む分子線照射によって吸着が促進された可能性がある。エチレン分子は非解離でSi(100)表面に化学吸着することが定説であるが、本研究ではClsのXPSスペクトルから一部解離吸着している可能性もある。クラスターの持つ運動エネルギーが寄与していることが十分に考えられる。これらの点は今後、実験を継続して明らかにしてゆく予定である。 さらに、Si表面の温度を上げ、エチレンとアンモニア分子線照射による表面の炭化反応と窒化反応の研究を行った。反応の進行状態をいろいろの表面温度においてXPS法を用いて追跡した。表面温度や露出時間を変えると、ls電子の結合エネルギーにシフトがみられ、炭素や窒素原子の化学状態が異なる事が見て取れる。室温での吸着では、いずれもHが結合した分子の状態であるが、600℃以上の高温ではHは分解脱離して表面上では留まっていない。したがって、Si-CやSi-Nの状態を反映したXPSスペクトルが得られた。 この実験によって、エチレンやアンモニアなどの水素結合による分子クラスターと固体表面の相互作用を研究する端緒を開いた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)