固体表面による金属クラスターの活性化と触媒反応制御
Project/Area Number |
07240208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 洋 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20213803)
朝倉 清高 東京大学, 理学部, 助教授 (60175164)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 合金触媒 / EXAFS / 固体表面 / 金 / 白金 / 有機金属化合物 / 金属カルボニル化合物 / 金属酸化物 |
Research Abstract |
我々はこれまで、金属の有機錯体やカルボニル化合物をSiO_2などの無機酸化物担体上に担持分散した固定化触媒を調製し、その表面構造をEXAFSなどの分光法を用いて明かにしてきた。明確な構造と組成を持つ前駆体を用いことによって、表面構造を精緻に設計し、触媒作用を支配する基本的因子を原子・分子レベルで調べることが可能となる。さらに、表面での構造変換により、全く新しい触媒機能を生み出すことも期待できるからである。 金は化学的に安定で触媒的には不活性な元素に分類されてきた。しかし、Pt(111)表面にAuを添加して表面合金を形成させるとシクロヘキセンの脱水素反応に高活性を示す。また、TiO_2、Fe_2O_3などに強固に担持されたAuの微粒子はCOなどの低温酸化反応に極めて高い活性を示す。これら顕著な例にもかかわらず、クラスター微粒子に取り込まれたAuの触媒作用は明らかでない。 本研究ではこれらの観点から、アルカリ金属的電子状態のAuクラスター骨格に1個のPt原子を埋め込んだ[PtAu_6]クラスターをSiO_2表面に固定化した新しい金バイメタル触媒を調製し、その触媒特性を検討した。通常複数個のPt原子の存在により初めて活性化される水素の解離、エチレンの水素化反応、COの酸化反応を選び、Auクラスター骨格に埋め込まれたPt原子の反応性を調べた。これらの触媒反応、特にH_2-D_2交換反応においては、本新規触媒がかなり高い触媒活性を示すことを見いだした。反応中、バイメタルクラスター骨格が保たれているかどうかを、PtおよびAuのEXAFSスペクトルから解析したところ、447Kまでは完全にクラスター骨格が保たれていることが分かった。これらの結果は、Pt-Au結合のアシストによってPt原子1個が触媒作用を発揮しうることを示しており、不均一系金属触媒作用を考えるうえで重要な示唆を与える。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)