Project/Area Number |
07241231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 正廣 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (60167707)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 低次元鎖ハロゲン架橋金属錯体 / ソリトン / ポーラロン / 三次非線形光学効果 |
Research Abstract |
高度情報化社会において光通信、光エレクトロニクス、光情報処理などの重要性は増し、このため今世紀の"エレクトロニクス"の時代から来る21世紀はまさに"光(フォトニクス)"の時代になるであろうと考えられる。この"光"の担い手のなかで非線形光学の効率的利用に対する認識が高まっている。無機化合物において非線形光学としての研究は、バルク結晶から超格子、超微粒子、量子井戸などへと広がった電子状態を閉じこめる方向へと研究が進んできている。一方、分子や高分子からなる有機物においては電子はこれらのユニットの中に強く閉じこめられており、非線形光学としての研究はこの電子状態をできるだけ広げるような方向へと進んでいる。このような研究の方向は、物質の非線形光学特性にとって最適の電子系の閉じ込めと広がり、あるいは次元性といったものがあると考えるなら当然のことである。この次のステップとして、無機と有機の特性を両方持つ金属錯体ではどのようになるのであろうか?と考えるのは必然である。 我々が長年研究を行っているハロゲン架橋金属錯体は先にも述べたように分子設計と次元性制御が容易に出来るが、代表的な[Pt(en)_2][Pt(en)_2X_2](ClO_4)_4においてポリジアセチレンに劣らないほどの大きな三次非線形光学効果を持つことが解った。 電場変調スペクトルからこれらの化合物の電子状態は3準位から成り立っている。これを用いて理論的にX^<(3)>をもとめるとC1<Br<Iでありこれは一次元鎖上の電子の広がりの傾向と良く一致している。実際に薄膜を用いてTHG法によりX^<(3)>を求めてみるとX=Clで_<4x>10^<-11>esuであり、X=Brで_<8x>10^<-11>esuであり理論計算の結果と良く一致している。
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